Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
**
「…最悪…」
学校が終わり、家に帰ろうと外に出た瞬間、どしゃ降りの雨が降ってきた。
今日は晴れの予報だったから傘なんて持ってない。
学校から駅までは歩いて10分程度。
走って近道をしたら5分以内には着くだろう。
人通りもないし、昼間でも薄暗い道だけど、まぁいいか…。
護身用のナイフは常備してあるし、あたしがそこらへんの不良に負けるわけないし。
濡れるのは抵抗があるけど仕方ない。
あたしは、意を決して滝のように降る雨へ、飛び込んだ。
その瞬間、大粒の雫が全身に打ち付ける。
雨で視界が悪い中、走って走って人気のない路地裏へ駆け込む。
─チャリン…