Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

**

「…最悪…」


学校が終わり、家に帰ろうと外に出た瞬間、どしゃ降りの雨が降ってきた。


今日は晴れの予報だったから傘なんて持ってない。


学校から駅までは歩いて10分程度。


走って近道をしたら5分以内には着くだろう。


人通りもないし、昼間でも薄暗い道だけど、まぁいいか…。


護身用のナイフは常備してあるし、あたしがそこらへんの不良に負けるわけないし。


濡れるのは抵抗があるけど仕方ない。


あたしは、意を決して滝のように降る雨へ、飛び込んだ。


その瞬間、大粒の雫が全身に打ち付ける。


雨で視界が悪い中、走って走って人気のない路地裏へ駆け込む。


─チャリン…
< 11 / 406 >

この作品をシェア

pagetop