Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
雨が降る重い音に混じり、金属が落ちる甲高い音が聞こえた。


そのとき、首筋に違和感を覚え、そこへ手を当てる。


「あ……」


甲高い音が聞こえた方を振り返ると、あたしの大切な大切な宝物が泥にまみれ転がっていた。


「…何で千切れたんだろ」


ナオがあたしに初めてくれたプレゼントのネックレス。


シンプルに銀の十字架だけのネックレスだけど、元々ナオが付けついたネックレスをくれたんだ。


ナオのタマシイが籠っているとも言えるこのネックレス。


変に千切れたせいで、嫌な予感が脳裏を掠める。


心臓が嫌な音を立てて暴れだす。


雨は強くなる一方。


「…大丈夫…だよね」


不安を胸に抱えながら、汚れてしまったネックレスを握りしめ、あたしは再び駅へ向かって走り出したのだった。
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