Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
要求を飲まざるを得ない状況に持っていくのが上手い。


手荒い真似はあまりせず、ただ脅すだけ。


この総長は少し粘ることはあっても、すぐに要求を飲むだろう。


宮瀬が、そうなるようにレールを敷いている。


「…するわけねぇだろ」


「しなくてもいいけど、どうせお前はここで死ぬし下の奴らも死ぬだろうな。それとも、仲間を守りたいとか寒いこと考えてんの?」


ニヤっと笑いながら宮瀬が話すその一言一言が悪意を持ってるかのように総長の痛いところを突く。


「守りたいに決まってんだろ。お前にはわかんねぇよ。人殺し」


こんな宮瀬に噛みつける勇気はすごいけど、そんなの宮瀬には全く効かない。


「守りたい…ね。さっき簡単に仲間売ったのはどこの誰だよ。俺が気づいてないとでも思った?」
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