Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「……解散する。解散するから…」


堕ちるまでほんの数分。


最小限の労力で要求を飲ませた。


「しばらく華月には見張りがつくから、こっそり活動しようもんなら、どうなるか想像つくよな?」


最後まで抜かりない。


総長が小さく〝はい〟と答えたのを聞いてから、あたしたちは倉庫を後にした。


あっという間の仕事だった。


あたしはほとんど何もしてないけど、すぐ隣で宮瀬の仕事ぶりを見れただけで充分だ。 


「…お前、案外仕事できないんだな」


「あたしができないんじゃなくてあんたが凄いんだよ」


それにこういうのはあたしの仕事じゃない。


あたしはどちらかというと暗殺者だ。
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