Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「─結局〝ナオ〟に連絡しなかったんだな」


「……何言ってんの?」


バレてる…。


心臓がドクンドクンとはち切れそうなほど波打つ。


「ナオって神龍連合のトップだろ」


「そうらしいね」


さっきの仕事ぶりからして、宮瀬にこういう心理戦に持ち込まれたらあたしに勝ち目はない。


それでも言い逃れないと命が危ない。


「気づいてないかもしれないけど、お前が住んでた家は特定してあるし、そこにナオが出入りしてるのも知ってた」


怒ってる様子もなく、淡々と話し、淡々と歩き続ける宮瀬。


このまま逃げたい。


「今日華月を潰すことをお前に伝えたら、間違いなく裏切ると思った」


…裏切らなくて正解だ。


でも、すべてお見通しだったんだ。
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