Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
闇に染まった黒色の傘をパサッと開き、片手にスマホを持つ。


【どこにいる?無事?返事して】


ウザがられてもいいから、何度も何度もナオに連絡を入れる。


でも、一向に既読はつかない。


それにつられあたしの歩く速度も早まっていく。


神龍の倉庫は走ったら10分くらいのところにある。


神龍連合の本部もその近くだ。


とりあえずそこへ向かうしかない。


ナオに何か異変があったことには間違いない。


走るたびに足元の水が脚にかかって邪魔くさい。


倉庫までの道筋は、危ない道が多い。


濡れると動きづらくなるからなるべく濡れたくないけど、仕方ない。


ナオの安否を確認しなきゃ。


…この世界では、簡単に命を奪われることだってある。


あたしが奪う役をしてるからそれを身に染みて感じるんだ。
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