Hate or Love？愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

「へぇ。仲良いんだね。コクれば付き合えるんじゃない？」


城田さん彼女いなさそうだし。


いたら沙耶と頻繁に会ったりしないだろう。


「どうだかね。翔は彼女作らない気がするんだよね。翔自身が危ない仕事してるから。女の子巻き込んじゃダメだって思ってるんだと思う」


そういうもんか…。


あたしは、純粋な恋愛とは程遠い生活に慣れすぎていてその辺りの感覚が欠如してるんだ。


「それに、あたしが翔と付き合うって言ったら絶対聖は反対すると思う。あたしたちが付き合うの許してくれない気がする」


「そっか」


人の恋愛に口出すのもおかしな話だし、話題を変えよう。


あたしがそう気を遣う前に沙耶がカゴを押し付けてきた。


「試着行ってきて。今からファッションショーだよ」