Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「知らねぇよ。さっさと話せ」


…話さなきゃ。


「…えっと…今日くらい良いだろうって話になって…。それで─」


「は?」


「…ごめん」


それ以降、どちらも一言も話さず、ただ救急隊員の声だけが狭い車内に響いていた。


病院に到着し、外へ出ると城田さんが待っていた。


沙耶は大急ぎで院内に運び込まれ、あたしたちも後を追う。


「さっき連絡した通り。たぶんやったのは神龍連合だろな」


赤いランプが灯った手術室の前のソファに座り、宮瀬が言った。


城田さんもそれに頷く。


「組の人間はこんなやり方なんかしない。中途半端な殺し方をするのは素人だ」


華月を潰した報復か…。


「華月の見張りは何て言ってるんだ?」
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