Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「知らね。たぶんやったのは華月じゃない」


宮瀬は相当イライラしてる。


あたしに対してだろうか。


それとも犯人にだろうか。


「……なんでこんなタイミングで勝地に黙って出掛けんの?バカじゃねぇの」


…あたしに対してか…。


そりゃそうだよね…。


「連合の動きを警戒しとくべき時期ってことぐらい分かるだろ。素人じゃねぇんだから。仮に沙耶から言い出したとしても止めろよ。何のためにいるんだよお前は」


言葉の全てが正論で、あたしの心に突き刺さっていく。


こんなことになったのはあたしのせいだ。


あたしは水着ショップで怪しい人影を見ていた。


あの時気のせいだと流さなければ。


もう少し警戒していれば。


沙耶の後ろにあたしが立っていれば。
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