Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「全然何も記憶にない。突然後ろから押されて、エスカレーターから転がり落ちて…気がついたら今だよ」


結構高い位置から落とされたから相当痛かっただろうな…。


絶対犯人を許さない。


「ま、この報復はきっちりしてくるから安心しろ」


「あたしも手伝いたい」


沙耶を…友達を…傷つけたヤツを許さない。


そんなあたしの気持ちが伝わったのか、宮瀬は小さく頷いた。


「じゃあ兄貴、沙耶のこと見ててやって。俺ら行くから」


城田さんと沙耶が二人きりだ。


それを喜ぶ気分ではないけど。


病室を出て、ナースステーションの前を通りかかったとき、看護師さんがあたしたちを呼び止めた。


「宮瀬さん、院長がお会いしたいとおっしゃってます」
< 162 / 406 >

この作品をシェア

pagetop