Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…宮瀬の姉を突き落とした実行犯は誰なの?」


宮瀬は確実にそいつに大怪我を負わせる。


最悪殺す。


「疾風の下っ端。俺も誰がやったのかは知らないけど、立場が上の奴らは絶対手を下してないと思う」


疾風の下っ端…ね。


「…でも指示したのはナオでしょ」


つい、ポロっと本音が溢れてしまった。


自分が思ってた以上に、ナオが指示したことに怒りを覚えてるんだ。


そのことが自分でも驚きだった。


「何か文句ある?」


ナオの言葉にはトゲがあり、機嫌が悪くなったのがわかった。


せっかく久しぶりに会えたのに。


「…別に」


謝ろうとは思わない。


あたしは悪くない。


沙耶を突き落とすよう指示したのが悪いんだ─。
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