Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「なんでこんなことになるんだろ…」


…あたしが宮瀬に抱かれたから。


抵抗しなかったから。


理由は明らかだけど、人のせいにしたい自分がいる。


「ちょっと来い」


腕を掴まれ、宮瀬の部屋まで連れていかれる。


「離して。痛い」


宮瀬があたしに手を出してこなかったら、こんなことにはならなかった。


責任転嫁してるだけかもしれないけど、そう思ったって間違いではない。


「リビングでベラベラ喋るな」


宮瀬はあたしをベッドの方へ突き飛ばしカギをかける。


「…話聞くだけでいいなら聞いてやる。聞いたことは忘れることにするし誰にも言わない」


…ずるい。


なんでこんなときは優しいの?


変に優しくするからあたしの馬鹿な心が迷ってしまう。
< 181 / 406 >

この作品をシェア

pagetop