Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「残念だな。射殺なんて良い場所狙えば苦しさを感じる前に死ねる」


冷ややかに話ながら宮瀬はどこからかペンチを取り出して犯人を見つめる。


「やめろ…。来るな…っ!助け─あぁぁッ!!」


そして聞こえてきた断末魔のような叫び声。


宮瀬がペンチで犯人の歯を一本一本抜いていくのが見える。


歯を抜くなんて軽い方なんだろう。


「アァァァァッ!!」


耳を塞ぎたくなる叫び声と、抜いた歯を床に落とす音。


「人によっては全部抜く奴もいるけど、お前が喋れなくなったらおもしろくないから残しといてやるよ」


狂ってる…。


これは復讐なんかじゃない。


狂気だ…。


「あ、こんなところに釘が」


「…いや……やめ…やめてくれ……」


犯人の手を椅子の肘おきに載せ、釘を添える。


そして宮瀬はその釘を容赦なく打ち付けた。
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