Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…まだ殺す気ねぇから。そんなすぐに逃げれると思うな」


1度期待させといて突き離す。


希望の光を見せておいてそれをシャットアウトする。


そうすれば絶望感は大きくなる。


…何度も拷問したことがあるからこんな手慣れてるんだろうか。


「タバコ発見。吸えよ」


犯人のポケットからタバコとライターを取りだし、吸わせる宮瀬。


死ぬ前の最後の一服なんていう優しさじゃないことはあたしも彼も分かってる。


それでも従わざるを得ない。


そして宮瀬は火が付いたタバコを露出した肌に押しつける。


根性焼きだ。


それを何度も何度も繰り返す。


でも、さっきまでの拷問に比べたらまだ耐えれるはずだ。


と思ったけど、根性焼きしてるのはずっと同じ場所。


焼けただれた場所に何度もタバコを押し付けられる。


見てるだけのあたしの身体が痛くなってくるほどだ。
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