Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
命令の束縛性も減ったし、意見を聞いてくれるようにもなった。


その理由を聞くと、もう元には戻れない気がして聞けない。


それに…あたしは気づいてる。


殺意なんて消えてるし、このまま貫田さんの復讐を失敗に終えてもいいと思ってることに。


あたしはもうあたしじゃない。


過去のあたしはもういない。


ご飯を食べ終え、宮瀬の部屋に入る。


よくよく見ると本当に生活感がない。


使ってるのか使ってないのかわからない鍵つきの引き出し、同じく分からないテーブル。


唯一生活感を感じられるのはベッドだ。


それだけ宮瀬はハードに動き回ってるんだろう。


宮瀬の凄さは天性のものだけじゃなくて努力の証しでもあるんだ。
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