Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「兄貴と話したり、龍美さんと話したりして決まった。疾風は無視して神龍を潰す」


あたしが座るや否や、ズバッと話す宮瀬。


その目はどう猛で殺意に似たものすら感じる。


「神龍を潰せば連合は終わりだ。あとは組が簡単に疾風も始末するだろうから、俺らの仕事はそれだけだ」


……ついにこの時が来たんだ。


ナオと直接対決しなければならない時が。


「龍美さんは…連合を潰して西条組に脅威を与えるのが目的だ。連合を潰せてもそれができないんなら意味がない」


ザワッと胸がさざめく。


聞きたくないと心が叫んでいる。


聞いたらあたしの決心が…組を裏切らないで生きるというあたしの決心が…消えてしまいそうで。


「…連合のトップを殺す」
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