Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
ナオに指定されてるトイレは人気が少ない奥の方にあるトイレだ。


予定では〝混んでそうだからあの寂れたトイレの方に行く〟と理由をつけてここに来るつもりだった。


嘘1つ重ねずに済んだのはラッキーかもしれない。


ナオは隣の男子トイレで待機中だ。


他にも幹部を数人連れてるらしい。


とりあえず1番手前の個室に入り、ナオへメッセージを送る。


【今あたし1人だけトイレに来た。もう少ししたら沙耶たちが来ると思う】


すぐに既読がついた。


もう、数分後には拉致されてしまうんだ。


あたしの裏切りによって…。


あたしの唯一の友達なのに…。


これでいいの…?


こんなこと…していいの?


…ダメに決まってる。


でも─。
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