Hate or Love？愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

あたしは弱い…。


今さらナオへの協力をやめるなんてできないんだ。


ナオに嫌われたくない、失望させたくない。


でもそれと同じように沙耶も大切なんだ。


なんでこんなことになってるのか。


そもそも、琴吹組のあたしが西条組のナオと付き合い始めたのが間違ってた…？


だから、今こんなに苦しいの…？


「……っ」


鼻の奥がツンと痛み、視界がボヤけていく。


泣いてる場合じゃない。


泣いたって何も変わらない。


泣いたってあたしの罪は許されない─。


泣くなあたし…。
　

「玲香ー？いるー？」


ドアの向こうで沙耶の声が聞こえてきた。


もしかしたら別のトイレも回って、あたしを探してくれてるのかもしれない。