Hate or Love？愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

「その代わり、俺はもう玲香ちゃんと関わるつもりはないし、沙耶と関わるつもりもない」


…え…？


沙耶…とも？


思わず沙耶へ視線を動かすと、沙耶は覚悟ができているというような強い表情を浮かべていた。


「…いいの？沙耶。あたし沙耶のこと裏切ったんだよ？」


あたしは友達より好きな人を選んだ。


なのになんで沙耶は好きな人より友達を選べるんだろう。


理解できない。


理解したくないのかもしれない。


綺麗すぎるその心を。


理解しようとしたってあたしには不可能だから。


不可能という現実を突きつけられたくないから。


「…たしかに玲香はあたしを裏切った。正直傷ついた」


どこか遠い一点を見つめ、沙耶は語り始めた。