Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
それを見たはずなのに、宮瀬はやめてくれなかった。


そのままベッドに押し倒され、服のボタンに手がかかる。


「…やだ…っ」


下着姿にされたとき、意識がハッとし、自分がしようとしていたことを思い知らされる。


「ホントにやめてっ。こんな風にやりたくない。あたしはナオ以外とはしない!」


宮瀬の身体を押し退け、沙耶の部屋に逃げ込もうと動く。


けど、その腕を強く掴まれ、ベッドに引き戻される。


あたしの上に跨がる宮瀬は、あたしが知ってる宮瀬じゃなかった。


何も映してない漆黒の瞳、荒々しい行為。


でも、脆く儚い危うさを持っていて。


「…やめてよ…。嫌だって言ってるじゃん…っ!」
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