Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「ねぇなんで…?宮瀬…っ」


涙で枕元がびしょ濡れ。


なのに、やめてくれない。


宮瀬はこんな人じゃない…っ。


こんな…ひどい人じゃない…。


「痛…っ。やめて…っ!痛いよ…っ」


痛み、苦しみ、悲しみ、情けなさ、いろんな要因でいろんな涙が止まらない。


「…宮瀬っ、やめて…。やめてよっ!」


覆らない力の差、届かない叫び。


あたしはこうやってまた、死んでもなおナオを裏切るんだ。


…ううん。


諦めちゃダメだ。


抵抗しなきゃ。


叫び続けなきゃ。


宮瀬が気づいてくれるまで。


「…宮瀬、聞いて…。お願い…っ」


そう声を漏らせば、まるでうるさいと言わんばかりにキスで口を塞いでくる。
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