Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
第1章
行方不明
「ナオー、今帰った」
「遅い。何時やと思ってんねん」
二人で暮らすには大きすぎる家のリビングで、ナオが不機嫌そうにテレビを見ていた。
「ごめんって。てか、別にそんな遅くないでしょ」
とは言ったものの時刻は午前2時過ぎ。
女子高生が帰ってくるにしては遅すぎるか。
「門限、12時やねんけど」
「あーはいはい」
ナオが関西弁になる時は怒ってるとき。
だけど今のあたしにはナオに構ってる余裕がない。
さっきまで会っていた貫田さんの言葉が脳裏に蘇り、芯からゾクゾクしてくる。
〝それでも殺るか?〟
その問いにあたしはすぐに答えられなかった。
殺し屋をやってる以上、命を失う危険と隣り合わせなのは当然のこと。
だけど、強敵となればそうなる可能性は格段に上がるわけで。
自身の復讐のためなら命を擲つ覚悟はできるかもしれないが、そうではない。
「遅い。何時やと思ってんねん」
二人で暮らすには大きすぎる家のリビングで、ナオが不機嫌そうにテレビを見ていた。
「ごめんって。てか、別にそんな遅くないでしょ」
とは言ったものの時刻は午前2時過ぎ。
女子高生が帰ってくるにしては遅すぎるか。
「門限、12時やねんけど」
「あーはいはい」
ナオが関西弁になる時は怒ってるとき。
だけど今のあたしにはナオに構ってる余裕がない。
さっきまで会っていた貫田さんの言葉が脳裏に蘇り、芯からゾクゾクしてくる。
〝それでも殺るか?〟
その問いにあたしはすぐに答えられなかった。
殺し屋をやってる以上、命を失う危険と隣り合わせなのは当然のこと。
だけど、強敵となればそうなる可能性は格段に上がるわけで。
自身の復讐のためなら命を擲つ覚悟はできるかもしれないが、そうではない。