Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
なんでこんなときだけ弱気なの…?


いつも強気で自信満々でムカつくくらい堂々としてんじゃん…。


「…お願い宮瀬…っ」


この男だけは許せない…っ。


実の息子の死を何とも思わず、あたしをいたぶる材料にしてくる。


そんなの許される行為じゃない…。


「…宮瀬なら何人相手でも勝てるでしょ…?いつもそうだったじゃん…っ」


華月を潰したときも、神龍を潰すときも。


圧倒的人数の差の中で勝ってきたじゃん…。


「あれはただの暴走族だ。今回のは訳が違う」 


「…でも…」


宮瀬も撃たない、貫田さんも撃たない。


事態は完全に硬直状態へ陥ってしまった。


「さぁどうする?大人しく二人仲良く死んでもらおうか?」


「…ハッタリか」


ボソッと宮瀬が呟くと同時に銃声が響き、貫田さんがドサッと倒れた。


「…ハッタリ?」
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