Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
─コツ…コツ…コツ……


廊下から足音が聞こえてくる。


その瞬間、身体がキュッと縮こまり、息が詰まったように呼吸ができなくなる。


拳銃を持つ手が震えてそれが床と擦れ、カタカタと音が鳴る。


喉がカラカラに乾き、耳鳴りがし、視界がグルグル回って見える。


足音が止まった。


あたしの部屋の前で─。


そして…ギィ…と嫌な音を立てて扉が開く音。


「…電気つけたまま逃げたのか…。それともどこかに隠れてるのかな?」


この声…城田さんだ…。


「玲香ちゃん。諦めて出てきなよ」


ドスンっとベッドが揺れた。


城田さんが腰かけたんだろう。


あたしの左脇に城田さんの足が見える。
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