Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
ろくに何も飲み食いしてない身体では体力の消耗が激しく、すでにフラフラしてきてしまう。


「玲香!走れ!」


宮瀬があたしを無理やり引っ張り走らせる。


足がもつれ、今にもコケてしまいそう。


城田さんとの距離はどんどん小さくなってくる。


パンッ─


後ろから飛んできた弾丸があたしの首を掠めた。


凄まじい熱と痛みが首から全身へ走る。


…チャリン…っ…


「あ…っ…」


ネックレスが…っ!!


ナオのネックレスが落ちたのに、宮瀬は止まってくれない─。


「ネックレス…っ!」


あのネックレスだけは…。


亡きナオとの思い出がつまったあのネックレスだけは…っ!。


「おい玲香!!」


戻らなきゃ…。


あれだけは失っちゃいけないんだ…っ。
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