Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…全部あたしのせいだ」


あたしが組を裏切らなければこんなことにはなってなかった。


「……とにかく。バレないうちに家ん中入って施錠しっかりしよう。監視カメラは昨日のうちから切ってるから」


周囲を警戒しつつ、裏口からこっそり家の中へ入る。


この家の構造上、逃げる道はなくはないけど、挟撃ちにされる可能性も高い。


この家の構造は組関係者には熟知されている。


「この先のことを決めるまでの間だけここにいる。そのあとどうなるかはわからない」


「…うん…」


何でもスマートにこなしてきた宮瀬の〝わからない〟はよりあたしの人生を暗くする。


「とりあえず何か食えよ」


2階のリビングで、菓子パンやお菓子を出してくれる宮瀬。
< 364 / 406 >

この作品をシェア

pagetop