Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…じゃあこれ」


賞味期限ギリギリのメロンパンの封を開け、一口かじる。


少ししなしなだけど砂糖の甘味が口いっぱいに広がり、張り詰めていた緊張の糸がほぐれていくのが分かった。


「……宮瀬、城田さんのこと撃ったんだね」


撃たない、いや、撃てないと思っていた。


「あぁでもしないと逃げきれねぇだろ」


あのとき、城田さんも宮瀬も同時に発泡した。


城田さんはあたしと宮瀬のどちらを狙ったんだろう。


「…無茶なことしやがって」


宮瀬の視線があたしの左手に移動し、ネックレスを握ったままだということに気づく。


「……唯一の形見だから」


これだけは失いたくなかった。


これのために自ら殺されに行ったも同然だけど、後悔はしてない。
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