Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

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「……っ…」


気がつくと、いつかの見覚えのある世界が広がっていた。


あの時と違ってどこも拘束はされてない。


…宮瀬に犯されたあの場所だ。


限界だと軋む体を起こすと、目の前に拳銃を突きつけられる。 


「動くな」


恐る恐る視線を上げ、あたしを脅す男の顔を確認する─。


「…え…?」


どういう…こと…?


なんで…?


なんで宮瀬があたしに拳銃を…?


視線を周囲に配ると、城田さん、龍美さんの二人も少し離れた位置からあたしに銃口を向けている。


閉ざされた空間に殺気立つ3人の男とあたし。


何がどうなってこんな状況になったのか。


「…どういうこと…?」


宮瀬の瞳は真っ黒だった。


何も映さない漆黒の中、ただ殺意だけがゆらゆらと燃えている。
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