Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
冷気を感じるほどそのオーラは冷たく、冷酷。


幾度となく冷酷な宮瀬は見てきた。


けど、そんなの比にならないくらい今の宮瀬の様子はおかしい。


「これ、読みたかったんだろ?読めよ。お前に読ませるために鍵開けといたんだから」


バサッと足元にも落とされたのは、あの大学ノート。


本能が見るなと叫んでる。


でも言われた通りにしないと殺される…。


とんでもない恐怖があたしを支配し、突き動かす。


震える手でノートを拾い上げ、表紙をめくる。


【殺したい女が二人いる】

【殺したい】【殺したい】【殺したい】

【死んでくれ】【死ね】

【殺してやる】

【罪を償え】


「……っ!」


殴り書きのようにページ全体がそんな言葉で埋め尽くされている。


どのページも、どのページも。
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