Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「なに…これ…」


異常だ…。


狂ってる…。


これ…宮瀬が書いたの…?


〝死ね〟〝殺す〟〝殺してやる〟


そんな言葉で埋め尽くされたノート。


あまりに狂気じみたそれに不気味さを感じ、ノートを投げ捨てて後ずさる。


宮瀬が怖い。


感じたこともない恐怖。


殺されるかもしれない恐怖とは違う恐怖。


「…宮瀬…?これ…なに…?」


冷たい視線を突き刺してくるだけで宮瀬は何も言わない。


奇妙で不気味で恐ろしい沈黙が辺りに流れる。


龍美さんも城田さんも無表情であたしたちを眺めている。 


当然助けてくれる気配なんて微塵もない。


その時、頑丈そうな鉄扉が重々しく開いた。
< 386 / 406 >

この作品をシェア

pagetop