Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
取っ組み合いになっても、いくら不利でも、ここで負けるわけにはいかない。
聖に拳銃を奪われるわけにはいかない。
絶対にこの手を離してはいけない。
「翔早く!!ねぇ!!早く玲香を連れて逃げて!あたしもう嫌なの!!嫌なんだよ!目の前で人が死ぬのが…っ!大切な人の死を見るのが嫌なんだよ……!!」
力の限り叫んだそのとき、手の力が一瞬抜け、拳銃を奪われてしまう。
「ダメ!!」
タックルするように聖に飛びかかり、再び拳銃を握りしめる。
重なる聖の指先は人のものとは思えないほど冷たい。
「離せって言ってんだろ!!沙耶!!」
「離さない!!翔早く!」
あたしの気持ちは届いた。
翔にだけかもしれないけど、届いた。
聖に拳銃を奪われるわけにはいかない。
絶対にこの手を離してはいけない。
「翔早く!!ねぇ!!早く玲香を連れて逃げて!あたしもう嫌なの!!嫌なんだよ!目の前で人が死ぬのが…っ!大切な人の死を見るのが嫌なんだよ……!!」
力の限り叫んだそのとき、手の力が一瞬抜け、拳銃を奪われてしまう。
「ダメ!!」
タックルするように聖に飛びかかり、再び拳銃を握りしめる。
重なる聖の指先は人のものとは思えないほど冷たい。
「離せって言ってんだろ!!沙耶!!」
「離さない!!翔早く!」
あたしの気持ちは届いた。
翔にだけかもしれないけど、届いた。