Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
**
連れて来られたのは無駄に広い戸建ての家。
3階建てのモノトーン調の外観。
ガレージは裏側にあるため、1度玄関を通りすぎて裏側へ向かう。
ガレージも車4、5台は余裕で並ぶくらいの広さだ。
運転手さんは慣れた手つきで駐車し、後部座席のドアを開けてくれた。
ガレージの入り口はシャッターになっていて、車が近づけば自動で開閉してくれる仕組みだ。
駐車した車の後側の壁に目立たないドアがある。
ドアノブがなく、周囲の壁と同色。
言われなきゃ気づかないレベルのドアだ。
わざわざ玄関に回らなくてもここから入れるらしい。
「このドア鍵ないけど大丈夫なの?」