Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
それは、貫田さんのことがバレてないという証明にもなるが、同時に貫田さんを裏切るも同然のことにもなる。


貫田さんはどちらかの組に属したりはしていない。


だからあたしも事実上琴吹組ではあるけど、フラットな立場で仕事していた。


けど、もう話は違ってくる。


琴吹組に正式に雇われ、琴吹組の殺し屋となってしまえば、ナオとは完全に敵対してしまう。


今まで以上に、ナオとのことがバレたらヤバいだろう。


「直人さんの命令は絶対だ。いいな」


貫田さん曰く、宮瀬は組長のお気に入り。


つまり宮瀬には組長と通ずるものがあるんだろう。


その残忍さであったり、冷酷さであったり…と。


…危険だ。この男。


「…わかった」


奴隷になる気なんてないけど、大人しく従っておくしかない。


いつかきっとチャンスは巡ってくる。


その時にしっかりこの男を殺ってやる…。
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