Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
…何言ってるんだろう。


「あたしの部屋?」


なんであたしの部屋が必要なの?


「まさか、ここに住めって言うんじゃないでしょうね」


あたしがそう宮瀬を睨めば、彼はフッと口許に笑みを浮かべた。


歪に曲がるその口が妖しく動く。


「よく分かったな。そういうことだ」


「そんなの嫌に決まってるでしょ」


あたしには帰る場所がある。


1人じゃない。


ナオがいる。


あの家はナオと二人の場所だ。


ナオ1人を残してなんていけない。


ナオと離れたくない…。


「家を離れたくない…離れられない理由でもあるのか。一人暮らし…だろ?」


何かを見透かすような、すべてを知っているような煽り口調に、心臓がドクンッと跳ね上がる。
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