Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
宮瀬聖は当然のようにあたしを奴隷扱いし、命令してくる。


わざわざ反抗するほどのことでもないから大人しく宮瀬に従って〝あたしの部屋〟に入る。


部屋は、たいていの家具がすでに揃ってる状態だ。


前に誰かが使ってた形跡もある。


宮瀬はあたしが部屋に入ったのを確認して、カチャリとドアを閉めた。


「殺れ」


「……え?」


唐突に宮瀬が言った。

 
不敵な笑みを浮かべて─。


「この空間に二人きりだ。どう考えたってチャンスだろ?」


……気づいてる。


あたしが殺そうとしてることに。


その鋭さにゾッとし、背筋が凍る。


夏の暑さなんて全く感じない、むしろ寒気がするようなオーラ。
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