Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
宮瀬はそう言ってベッドに腰を下ろした。


「琴吹組の人間が琴吹組の人間を殺そうとした。これがどーゆーコトか分かってんだろーな」


あたしは反乱分子だ。


どうなるかは想像がつく。


あんな風にはなりたくない…。


「不問にしてやってもいい」


「……え…?」


この男がそんな甘いわけがない。


「その代わり、今後俺の命令は絶対だ」


……これでも甘い方なのかもしれない。


この男ならもっと冷酷なことを要求してくると思ってた。


…いや。


この男の命令が容易いものなわけがない。


結局不問にしてもらえようがなかろうが、同じか…。


あたしは誰かの犬に成り下がるんだ。


それが琴吹組の犬か、宮瀬聖の犬か、の違いだ。


「最初の命令だ。ここに引っ越して明日の夜までに荷物を全部ここへ運べ。いいな。この命令を飲まなければお前の人生は終わったも同然だ」


宮瀬はそう言い残し、部屋を出ていったのだった。
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