Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
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琴吹組の奴隷になるか、宮瀬聖の奴隷になるか。
答えはもう決まってる。
「玲香?」
荷物をまとめるため1度家に帰ると、その物音に気づいたナオがあたしの部屋に入ってきた。
「学校は?」
ナオは暴走族の総長のクセに、そういうところは心配してくれる。
学校に行かないあたしを心配してくれる人なんてナオくらいだ。
クラスメートから心配の連絡が来たことなんてないし、先生から電話が掛かってきたりしたこともない。
学校という閉鎖空間では、あたしの存在なんてちっぽけで、どうでもよくて、誰も気にしてないんだ。
「玲香?」
もうナオとはお別れ。
迂闊に会うことはできなくなる。
「…ナオ…っ」