Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「俺は所詮族のトップに過ぎないし、本当に危険な奴らを相手にできるような力もない。玲香を守って族も守って、連合をまとめてって、そんな器用なことできる自信だってない」


「…そっか…」


そうだよね…。


組関係者は銃を持ってるし、いくらナオが強くても敵うわけないんだ。


わかってはいるけど、寂しいしツラい。


「でも俺は玲香と別れるつもりはない。会えなくても心は繋がってる。そうだろ?」


ぽんっと優しく頭に乗っかるナオの手。


温かくて、柔らかくて、ナオらしい手だ。


「俺があげたネックレス、ちょうど修理から戻ってきたし。これは絶対肌身離さず付けとけよ」


そう言ってナオは、この前千切れてしまったネックレスをつけてくれた。
< 68 / 406 >

この作品をシェア

pagetop