Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
突発的に家を出たものの行くアテなんてない。


その不安を暗示するかのように、空模様も灰色だった。


いつ雨が降ってもおかしくない。


「傘買っとこうかな…」


そんな小さな思いつきで、コンビニに入ったあたし。


夏休みということもあり、近所の小学生や中学生がアイスコーナーでワイワイしている。


あたしもあの中に混ざりたい…。


父親がヤクザってことがバレて、友達はいなくなって、皆から敬遠される毎日。


誰もあたしと話してくれなくなった。


話の輪に入りたくて近づいていけば、皆蜘蛛の子を散らすように逃げてしまう。


孤独。


寂しい。


一人でいるのがツラい。


「うわ、汐美も来たぞ」


「やっべ、殺されるー」


「早く買って帰ろーぜ」


あたしはここに存在してるだけなのに、なんで…?
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