Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
ただ生きてるだけなのに、なんで…?


どうしてあたしを避けるの…?


あたし、何かした?


なにもしてないよね…?


こんなことくらいで泣きたくなくても、涙は自然と滲んでくる。


泣いてしまう前に早く傘を買ってどこかへ行こう。


ボヤける視界で、黒色の傘に手を伸ばす。


それと同時に、もう一人、色白の手が伸びてきて…あたしの手と触れあったんだ。


「あ…っごめんなさい…」


〝汐美に触れたらオヤジに殺されるぞ!〟


〝皆逃げろー!〟


そう言ってた男子たちからすれば、からかいに過ぎなかったのかもしれないけど、あたしの心は深く傷ついていた。


だから、人に触れただけで反射的に謝って、申し訳なくなって、泣きたくなる。
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