Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
中性的で綺麗な顔立ち。


肌も白くて透き通るよう。


でも、瞳はもっと透明で吸い込まれてしまいそう。


そんな彼にドクンドクン…と心臓が波打つ。


「…キミ、行くところある?」


「え…?」


「家出してきたんじゃない?」


なんで…わかるんだろう


まだ家出てすぐだから、みすぼらしい格好をしてるわけでもないのに…。


「俺と同じ目と雰囲気だからすぐ分かる」


…同じ…?


こんな、クラスにいたら絶対人気者だろうなって人が、あたしと同じ…?


「…あたしと同じだなんてあり得ないです。あたし…」 


あたしは…ヤクザの娘だから。


だから孤独で、いつも寂しくて、ツラい。
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