Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…わかった」


この人は頼ってもいい人なのかもしれない。


あの家には信用できる人がいない。


組関係者が来るし、宮瀬聖、その姉の沙耶、明らかに危険な警備員がいる。


あたしが信用してるナオと貫田さんとは迂闊に連絡も取れない。


また昔のように孤独を感じることになるんだろう。


あの頃には戻りたくない。


あんな孤独な世界に戻りたくない。


ブブブ…


再び訪れた沈黙にバイブ音が響いた。


あたしのスマホからだ。


【周りに誰も居ないところで見て】


ナオからのメッセージだ。


後部座席にはあたししか乗ってないから、今見ても大丈夫だろう。


【たった今神龍連合の幹部から入ってきた情報によると、そろそろ宮瀬聖が本格的に動き始めるらしい】


【できるなら宮瀬の動きを俺に流してほしい。無理はしなくてもいいから】
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