Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

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今日は昨日と違って正面玄関から中へ通され、案内されたのは1階の1番奥に位置する部屋。


この部屋に来るまでの廊下にはたくさん監視カメラがついていて、その目を光らせていた。


その部屋の扉は襖。


中には和室が広がっているんだろう。


「…入っていいの?」


あたしの荷物を持ちながら案内してくれた運転手…勝地(かつぢ)さんが静かに頷く。


襖を開けると、和装した宮瀬聖、組長の亀塚(かめつか)直人さん、若頭の亀塚龍美(かめつかたつみ)さん、名前の分からない男、の四人が座っていた。


入り口側に座りこちらに背を向けているのが宮瀬と男。


その向かい側、つまりあたしと今バッチリ目が合っている側に組長と若頭が座っている。
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