Hate or Love？愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

「聖がこの娘を使うんなら別に止めはしない」


直人さんはそう言いわずかに笑みをもらした。


直人さんのオーラが少し和らいだ気がする。


だけど龍美さんは爬虫類のような視線をあたしに向けたまま言った。


「女は嘘をつくのが上手いし、裏切りやすい」


と。


バクッと心臓が急激に跳ね上がり、止まりかけた冷や汗が再び体を伝う。


別に見透かされてるわけじゃない、あくまで一般論を言ってるだけ。


そう言い聞かせたが、生理的反射は止められない。


キリキリ胃が痛くなってくるし、龍美さんに見られている部分が次々と痛くなってくる気さえする。


「スマホを見せろ。身体検査もしてもいいかもしれない。いくら聖が見つけてきた奴だとはいえ、信用できるかは分からない」