羽のように舞い上がって
エピローグ
わたしと淳也くんは、前から行く予定だったデパートへ行った。
「じゃあ、わたし、これ買うね」
わたしは敦也くんに、小さなヘアピンを見せて言った。
銀色の花の髪飾り。
ぴかぴかと本物の宝石のように光っていて、大きくもないところが大人っぽいと思ったのだ。
「うん! 真子ちゃんに似合うと思う」
お会計を済ませてから、わたしは淳也くんとデパートを出た。
「あれ、つけないの?」
わたしが髪飾りをつけないことに、敦也くんは聞いた。
「今はいいかなって思って」
「え、俺見たいんだけどな」
わたしは、試しに買ったばかりの髪飾りを自分のボブヘアにつけてみた。
すると彼は、大きく頷いて、
「うん、似合うじゃん!」
と言った。
「そうかな?」
わたしの髪は長くないので、自信がなかったけれど、淳也くんが笑顔で言うので照れて、何も言えなくなった。