実験室の幽霊 〜真夜中の電話〜

「面識はないです。。でも時々、工具を用意してくれたり、実験を手伝ってくれたりします。」
「そうなんですか。」
そんなことって、あるんだろうか。

「私も話は知ってたけど、なんでかな、あまり怖くないんだよね。」
「多分、朝永さんもなんとなく彼を感じてるんでしょう。良い人っぽくないですか？」
「言われてみれば、、良い人っぽいです。」
「だから、怖がらなくて大丈夫ですよ。」

　何か、キツネにつままれたような気分だが、なんとなく大丈夫そうな気がした。というか、考えてみたら、事故の後２０年近く、何か不都合な事があったり不吉なことが起こったという話もきいてない。いまさら何が起こるわけはない。