塩分過多の海原くん
「海原くんを、笑わせる!」
ガタッ
椅子から立ち上がった私に、海原くんは冷たい眼差しを向ける。
「お好きにどーぞ」
「お好きにしていいの!?」
「……」
は?というような、冷たさ。
あーぁ、また、寝癖がぴょこんと。いちどついたクセは、なおそうとしてもなおらないらしい。
「お好きにしていいのか……なににしようかな。
あ、一緒に歌ってみる?それとも、ご飯食べに行く?えっと、他に楽しそうなことは……」
「ちょっと待って。やだ。やめて」
その言葉に、はて、と首をかしげる。
「お好きにしていいんじゃないの?」
「君は勝手にやってもいい。だけど僕には危害を与えないで」
なるほど、私の行動は自由だけど……海原くんが関係することはお好きにしちゃいけないらしい。