塩分過多の海原くん
「……あの、抱きしめてもいいですか?」
「は?いまの話聞いてた?バカなの?」
バカだから、抱きしめてもいいかな?
「……これから、僕の望む関係になれたら、いいよ」
それって、なぁに?
私と同じで……恋人、とかだったらいいな。
「……わかったでしょ、もう、こっちみないでよ」
「照れてるー!」
「うるさい」
男子同士のノリのいい会話。
それを聞きながら、私は頬をおさえる。思いっきり、緩みきった頬を。
私の嬉し涙と……海原くんの、優しくて不器用な塩対応の塩で、そろそろ海ができそうだね、「海原くん」
END.