【企】リトルバタフライ
「そう・・・だよね!ごめんね、電話かけちゃって。」


あたしは急いで通話終了のボタンを押した。


泣いてしまっているのをばれたくはなかったから――。


すれ違ってしまうばかりの、あたしの片道の恋。思えば宏輝の顔を見るのもクラスが変わってしまってからは、図書室でのキスの時間だけ。


ただ・・・それだけ。


「もうダメかもしれないよ・・・。」


今までこらえていた分の涙は全て、この瞬間に溢れ出てしまった。


宏輝に笑って欲しかった――。


つまらない毎日ばかりじゃないんだよって、思って欲しかった・・・。
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