【企】リトルバタフライ
走馬灯のようにあたしの中に思い出がよみがえってくる。




あたしは自分の使っていた机に座った――。


「いっつも、ここから宏輝を見ていたんだね・・・。」


そこでふと、ある文字を見つけた。


『礼菜へ  いつも想ってるからな』


不器用なシャーペンの文字は明らかに宏輝のものだった。


「うっ・・・・ひっ、宏輝ぃぃい・・・!!」


あたしは床にしゃがみこむ様に崩れた。彼の心は、確かにあたしにあったのに・・・。


あたしはそれに気がつかなかったんだね・・・・。
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